こんにちは。
44歳、妊活ライフ2年目&体外受精チャレンジャーの花井なっつです。
不妊治療をはじめてから、たくさんの本を読んできました。その中でも心に残り、揺さぶられたおすすめの一冊を紹介していきます。

私は基本、ポジティブな人間♪ なので、他人の気持ちの浮き沈みをつづった本は、自分もネガティブな感情になりそうで向かないと思っていました。
ところが、意外にもどハマりしてしまったのが『シアワセノカタチ 39歳からの不妊治療』(宝島社/著者:ルミコ)です。
4年超の不妊治療を軽快なテンポでつづった共感ストーリー
2012年に発行された『シアワセノカタチ』は、主人公・ルミコさんが39歳から43歳まで、約4年3ヶ月間におよぶ不妊治療の記録をまとめたノンフィクション作品。
>> シアワセノカタチ 39歳からの不妊治療【電子書籍】[ ルミコ ]
じつは…「ルミコ」こと著者の島田宣子氏は『ことば美人』『好かれる人の魔法の言葉』など多数の本を出版している文筆家。こっそりと「ルミコ」という匿名ではじめた不妊治療ブログが「にほんブログ村」ランキングで4年間不動の1位となり書籍化に。
プロのライターさんだけあって、文章力がすばらしく響く!
不妊治療の苦悩も悲しみも不条理なことも… 日頃のモヤモヤした感情を明快な言葉で表現してくれるので

と、もうすべてが共感の嵐なのです。
39歳で人工授精から治療をはじめたルミコさんと、上司のパワハラで心が傷ついた3歳年下のダンナさん。人生初の禁酒やウツの薬を断薬してがんばるダンナさんに、精子検査の結果が悪くても・・・
一番好きな銘柄のビールを買って、「今までで一番いい数値だったよ」と嘘をついた。
と気づかうエピソードにもほっこり。
しかし、本の序盤、8度目の人工授精で陽性が出るも6週目で進行流産した話が。妊娠から流産にいたるまでの期待や不安、あきらめや葛藤、そして、ダンナさんやお母さん、お友達の想いも丁寧に描かれていて、何度読んでも泣いてしまいます。
最近はじめたTwitterの妊活垢で「陽性出ました!」「やっぱり陰性。。」とつぶやきが飛び交う中「流産でした」という方を多く目にします。「流産」というつぶやきをするまでにひとりひとりの大切な大切なストーリーがあることを改めて感じさせてくれる『シアワセノカタチ』。
涙が止まらなくなります。
不妊治療に向き合うすべての方が抱える想いを代弁
個人差という言葉では片付けられないほど、不妊治療は深い。夫婦単位だからなおさらだよね。たくさん泣いた人たちの先に今の医療があるという切ない現実も、しっかり受け止めながら、幸せになるための治療方法がまだ少し残されていることをありがたく思う。
本の中盤では、人工授精12回を終えて治療開始から1年半が経過した頃に体外受精へと進みます。

結局「不妊症」って心の病なのよ。子供が欲しいと思って努力しても叶わないことに落ち込んで、検査の結果にダメージを受けて、他人の妊娠・出産に自分を重ねて暗くなり、一ヶ月の間でやる気が出たり沈んだり、無気力になって逃避したり浪費したり(省略)改善法も治療法もないけれど、叶ったときにスッキリ治る… のかなあ。
仕事をしないのは治療のせい、人と会えなくなるのも治療のせい、新しいことをやろうとしないのも治療のせい、やりかけていることを放置しているのも治療のせい。浮き沈みの激しい精神状態の中で、何もかもいったん棚の上に置いて、万全で受け止めるつもりだったものを手にすることができなかった。
「誰のせいでも、何のせいでもない」
だけど、夫が夢見て語った未来はとてもまぶしかった。
ルミコさん夫婦のストーリーはまるでドキュメンタリー映画を観ているよう。読んだあとは、より一層、前向きに不妊治療に向き合う気持ちになれる、そんな一冊でした。
>> シアワセノカタチ 39歳からの不妊治療【電子書籍】[ ルミコ ]
まとめ
最後に私が一番、揺さぶられた言葉を記します。
やっぱり私はいつも意味を探す。私が前に進む理由。それでも絶望せずに明日にはいつも通り通院する理由。今、望む結果に巡り会えない理由を。
理由を探す旅はまだまだ続くのかなぁ。。